レジャー・レクリエーション研究の多様性 - 国際研究会議の場面から

 レジャー・レクリエーションについての研究は、様々な専門研究領域が重なり合う複合的な取り組みです。実際に取り組まれている場面、実践領域ともなると、まさに実に様々で、お互いに関係があるともみられないような現実もあります。それらをつなぐのは、この社会で人間らしく生きるためには、何が大切か、ということを考えながら、自分の現実に向かい合う姿勢でしょうか。その意味では、レジャーとは、レクリエーションとは何か、と問い直す機会も必要です。

 学会に所属して、自分とは異なる専門領域の人たちと、レジャー・レクリエーションを軸として語り合うことはその良い機会でしょう。私たちの学会もそのためにあります。
 そしてその多様な領域での多面的な現れ方について、より一層理解を深めるためには、国際的な研究交流の場をのぞいてみることも大変有効です。

 学会からのご案内にもあるように、2023年9月1-4日(今日から見て来週)、3rd ALSA Online International Congressが開催されます。
 今回は「Building Back Better」をテーマに開かれるこの国際会議の内容を、概観するだけでも、レジャー・レクリエーション研究の多様性・多面性を認識することができそうです。

 今回は、7つのセッションに分けて開催されます。
 そのプログラムを、粗訳してみました。(急ぎ仕事です。間違っているかもしれません。ご容赦ください)
 どのようなことが、レジャー・レクリエーション研究として取り組まれているのか、ご参考にしていただければ幸いです。関心を持たれたことについてはぜひ、オンライン参加されますよう、お勧めいたします。

プログラム:(元の英語)
https://academyofleisuresciences.co.za/2023-build-back-better-program/
(セッションごとに参加申し込みできます)
参加申し込み:
https://academyofleisuresciences.co.za/alsa-registration-2023/

■SESSION 1:健康都市 – 健康、福祉、社会正義、環境持続性
モデレータおよびファシリテータ: Prof Ali A Alraouf
所属: アーキテクチャーと都市計画の教授、カタール都市計画顧問、ISOCARP理事、カタール

キーノートスピーカー:Mr Ali Heshmati
所属: Henning Larsen Architectsでの実務家建築家、ノルウェー科学技術大学(NTNU)の博士候補
題目: バイオメトリックアーキテクチャ: 有効な室内のデイライティングの光環境リセットへの影響

Ms Safaa Charafi
所属: 建築家、都市家、ベルギーの研究員
題目: 包摂的な都市の構築: ジェンダーメインストリーミングを超えて

Ms Daniella Sachs
所属: 建築家、都市・地域計画家、ReImpact Studio創設者、オランダ
題目: 野生の呼び声 – 都市の再野生化の必要性

Mr Johan Barnard
所属: 景観建築家、Newtown Architects、南アフリカ
題目: 多様性のある公共空間のための計画

Dr Anju Beniwal
所属: 社会学准教授、インド政府Meera Girls College
題目: 未利用の潜在能力: インドの公共空間におけるガバナンスと持続可能性

■SESSION 2:健康都市 – 健康、福祉、社会正義、包摂、教育
キーノートスピーカー:Dr Nevin Harper
所属: 運動科学、身体・健康教育学部の教授、カナダ
題目: 健康と福祉に対する自然を基盤としたアプローチ: レジャープロフェッショナルの機会

Mr Seve Ghose
所属: ディレクター、Yerba Buena Gardens Conservancy、USA
題目: 樹木: コミュニティビルダー

Dr John Henderson
所属: 共同創設者&実行ディレクター、District of Columbia Green Spaces Alliance、USA
題目: 都市の公園を評価する際の定性情報の含める必要性

Ms Anne Robillard
所属: 作業療法士、Wild Results創設者、カナダ
題目: 作業療法士は自然と都市空間を使用して健康と福祉を促進する

Prof Jody Hironaka-Juteau
所属: カリフォルニア州立大学フレズノ校のレクリエーション管理
題目: レクリエーション、公園、観光のリーダーシップコースでのサービスラーニングの影響の評価

■SESSION 3:都市建築環境、健康・福祉と公平な空間、教育
モデレータおよびファシリテータ: Prof Ali A Alraouf
所属: アーキテクチャーと都市計画の教授、カタール都市計画顧問、ISOCARP理事、カタール

キーノートスピーカー:Prof Xiaoqi Feng
所属: 都市の健康と環境 UNSW人口健康学校、オーストラリア
題目: 緑地と健康、自然処方の必要性

Dr Zhaoli Dai-Keller
所属: 疫学者、公衆衛生、栄養学、UNSW、オーストラリア
題目: 良好な健康と長寿を促進するための高齢者にやさしい環境の構築

Ms Alison Hill
所属: マネージングディレクター、People and Parks Foundation、オーストラリア
題目: 健康な人々には健康な習慣が必要

Dr Wessel Strydom
所属: 都市・地域計画、南アフリカ
題目: 南アフリカでの場所作りの定義: 空間計画の視点

Mr Madhur Anand
所属: 心理学者、Moodforest創設者、インド
題目: 生物多様性からの生物幸福: 現代の世界で繁栄するための自然への回帰

■セッション 4:都市建築環境、持続可能性、気候変動の健康と福祉
司会・進行:Prof Ali A Alraouf
所属: 建築と都市計画の教授、Qatar Urban Planningのアドバイザー、ISOCARP理事、カタール

キーノートスピーカー:Dr Husam Al Waer
所属: アートとデザイン学部(建築 + 都市計画)、ダンディー大学、スコットランド
題目: 愛される、持続可能で健康な都市のための触媒:生産的な20分の近隣を促進する

パネルディスカッション:
題目: 日本の高齢化社会におけるレクリエーションの可能性:ケア施設からの洞察と事例研究

進行:Prof Junichiro Inutsuka, 実践女子大学
パネリスト:Prof Motoko Miyake, 京都先端科学大学
Dr Hiroko Murray, 八王子保育園園長
Ms Ritsuko Yamazaki, 余暇問題研究所所長

Prof Samah El Khateeb
所属: 都市デザイン&計画部門教授、エンジニアリング学部、Ain Shams University、エジプト
題目: 未来のスマート都市デザインと持続可能な近隣地域

■セッション 5:計画、健康、福祉、文化遺産、平等な空間、教育
キーノートスピーカー:Dr Melissa Sundermann
所属: 内科医、ライフスタイル医学、アメリカ
題目: 自然は医薬品として

Ms Stephanie Firestone
所属: AARP Internationalの上級戦略アドバイザー、アメリカ
題目: 世代間の遊び場

Dr Tiffany Monique Quash
所属: 質的研究方法学者、アメリカン大学、アメリカ
題目: 泳ぐことを学ぶのは人間の権利

Dr Josephine M Godwyll
所属: ジオスペーシャルエンジニア、アクセス&環境正義、カナダ
題目: 淡水レクリエーションにおける知識の動員:アクセス管理への西洋と先住民のアプローチの統合

Prof Adriana Estrada-Gonzalez
所属: レジャーと観光の教授、ビジネススクール、モンテレイ大学(メキシコ)
題目: パンデミック時代から浮かび上がる観光のトレンド

■セッション 6:森林学、健康、福祉、社会正義、平等な空間
キーノートスピーカー:Dr Cecil Konijnendijk
所属: Nature Based Solutions Institute、ベルギー
題目: 3-30-300ルールのグローバルな影響 – 木々が木々(そして人々)を助ける方法

Ms Susan Joachim
所属: International Nature and Forest Therapy Alliance会長、オーストラリア
題目: 緑の都市、癒される心:都市の福祉のための森の療法

Prof Junichiro Inutsuka
所属: 実践女子大学、哲学およびメディオロジー研究、東京、日本
題目: 公共の本質と余暇の倫理 – モダニティの挑戦と生成AIの影響

Dr Atsushi Imanaka
所属: 西日本工業大学、准教授、日本
題目: 観光デザインと教育への画像生成AIの適用

Ms Marianne Shapmans
所属: EQUALITY/Research Collective、Hogent、ベルギー
題目: MundoRebiへの招待 – 未来を前向きにするポリシーのための包括的なナラティブ研究

■セッション 7:健康都市 – 健康と福祉:レクリエーションセラピー
キーノートスピーカー:Dr Susan Ross
所属: Recreation Therapy、サンノゼ州立大学、准教授、アメリカ
題目: レクリエーションセンターとレクリエーションセラピーを超えて:変革的な余暇と遊び

Dr Nicole Peel
所属: Recreational Therapy、健康科学部、Western Sydney University講師、オーストラリア
題目: 共同設計の世代間モデル:共有空間を通じて世代を結びつける

Dr Jamie Hoffman
所属: Recreation, Park, and Tourism Administration、カリフォルニア州立大学、学科長、アメリカ
題目: 遊びの科学と包括的な遊び場の必要性