新たなレクリエーションの芽生え

2023年も既に9月を迎えようとしていますが、ようやくコロナ禍も落ち着き、マスクを着用する人も減って、次のステージに入った今日この頃です。この間、新型コロナウィルス感染症がパンデミックを引き起こし、誰もが経験したことのない時が止まったような日常生活になり、世の中の動きは大きな転換期を迎えることとなりました。世界中の大都市ではロックダウンが行われ、人々の行動が制限されると共にあらゆるものが自粛モードへと広がっていきました。中でも、東京オリンピック・パラリンピックが延期され、1年遅れて今までとは違うスタイルで開催された為、一種独特な雰囲気のものとなりました。

一方、新型コロナウィルス対策の専門家会議は、①換気の悪い密閉空間、②多くの人が密集、③近距離での会話や発声という、いわゆる「三密」を避けるように呼びかけました。

本来、レクリエーションには、実に多くのものがありますが、いわゆる一般的なレクリエーションといわれるものは、この「三密」を受けて、壊滅的ともいえる打撃を受けることとなりました。病気になって、初めて健康のありがたさを感じることと同じ様に、これまで特別意識することもなく、当然のこととして行ってきた行為がいかに大切なものであり、重要なものであったのかということに改めて気づかされたのです。

若者や健常な人はまだ良かったのですが、高齢者施設を利用している多くの方は日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)を向上させる必要性が特にあるため、施設側はできる限りレクリエーションを行なおうと考えました。このような状況の中、もはや必然的なようにICT化が急速に進み、カラオケ機器やPCを利用してのオンラインレクリエーションという新たな試みが増えてきました。コロナ禍の「三密」は従来のレクリエーション活動を妨げることになったものの、再度レクリエーションを見つめ直し、新たな、いや本来のレクリエーションの可能性を広げているのかもしれません。